三日目には、カズオと走っていた。その日は、カズオは自転車で
伴走した。そして、ジムまで付き合った。翌日から自転車を降り
た。そして、カズオもジムに入っていた。ただ、カズオの塾の都
合に合わせはした。
それから、二人のボクシング生活が始まった。三日でも先輩のア
キラは、それまでの経験を生かし、カズオの面倒を見た。そして、
ジムの方針で高校生になるまでリングに上がれないアキラは、家
で兄たちから教わったテクニックをロードワークの折り返し地点
であるグラウンドでカズオに伝授した。兄たちのパンチを受け必
死で反撃し相手を倒そうとするアキラとアキラの攻撃を、動きを
見ながらブロックするカズオに、二人のスタイルが生まれた。
高校では二人ともボクシング部に籍を置いた。兄たちが家業を手
伝い余裕ができたアキラはボクシングに集中できた。小さい頃か
らアキラを見ていた兄たちは少なからずもアキラの才能を認めた。
一方、カズオは塾を優先することを条件に入部を許された。
しかし、ボクシング部は弱小で廃部同然だった。二年生がいない
ため新入部員がない場合は自然消滅していた。そんななかに金の
卵が二人も登場したのである。それも美人の女子マネージャー二
人を伴っていた。一人はカズオの塾に通っていたキョウコで、カ
ズオと同じクラスになり、話すうちに興味を持った明るい性格の
娘だった。そして、キョウコが連れてきた少し陰のある言葉少な
い娘がヤスコだった。
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