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2010年3月29日月曜日

小説 「バック ロード」 29  戸口 了

「お前も、一緒か!」
「その人は、違う!」
「救急車が先だ!おとなしくしてろよ!今、車が来るから。」
救急車の出るのを待って二人はパトカーに分乗し、署に連行され
た。
「あの人は関係ない!」
警察の尋問を受けたアキラから出た言葉はそれだけだった。
「お前、プロだったんだってなあ。」
「それがどういうことか、分かってんだろうな。」
「いつまで、だんまり決め込むつもりなんだ。え?」
「そっちがそのつもりなら、覚悟しとけよ。」
「死ぬまで、出してやんねえからな。」
結局、アキラは拘置期限一杯まで過ごした。釈放されたのは期限
が切れる最後の金曜日の午後だった。
身柄引受人はシンジだった。そして、シンジの尽力だったのを、
アキラは聞かされていた。警察署に迎えに来たシンジに、アキラ
は深く頭を下げた。
「よし、呑みに行くぞ。」
シンジの第一声は、それだった。

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