アキラは煙草に火を点けた。そして、窓を少し開けて気まずさを
隠すために涼風を入れようとした。しかし、車内の空気は変わら
なかった。
「どうしてそんなに否定的なの?それに急に話されても、私はア
キラのことなんかなにも知らないんだから。」
「カズオはどうしてた?」
「え?カズオさん?カズオさんは、いつも休みになると帰ってき
ていたよ。必ず連絡してくれたし、その他のときも・・・。」
「ああ、そういうことか。」
「なによ、どういうこと?!何年も連絡一つ寄越さないで、いま
さらなにが言いたいの?!自分勝手なこと考えないで!」
「電話、持ってるか?」
「え?ええ・・・。」
ヤスコはバッグから携帯電話を取り出した。
「カズオに掛けてくれないか。」
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